最近の若いもんは

最近の若いもんは

新しい世代が入社してくるたびに

この言葉を会社で聞きますよね

もはや風物詩と呼べるでしょう

 

「最近の若いもんはさぁ…」

今そう言って嘆いている

そこのあなた

あなたも若い日は人生の先輩たちにね

そう言われていたんですよ

間違いなくね

 

なので

自分の常識=正解

こういった先入観は捨てましょう

 

子供は親の背中を見て育ちます

会社でも同じですよ

部下は上司の背中を見て育って

それを将来的に真似してしまうのです

これは良くも悪くも日本人の悪い部分です 

 

学校で後輩いじめをする情けない先輩が

「俺の時もそうだった」とか

「俺らの厳しい時代に比べたらお前らなんてまだマシな方や」

とか、そんなことを言っていませんでしたか?

 

自分がされたことを恨みに思い

された人間に仕返しするならまだしも

全く罪のない後輩に

「これがわが社の伝統だから」

と、言わんばかりに言葉のナイフを振りかざす

情けない話です

 

どこかで誰かがやめなければ

永遠にこのスパイラルは続きます

そんな教育では人の心を掴むことなどできないのです

 

そういうわけで

本日の本題なのですが

新入社員に対する接し方

と、いうものについて考えましょう

 

教える側の人間としては

教えるべき業務をさっさと教えよう!

そう考えると思うのですが

これでは仕事は覚えても人間が育ちません

 

しかも最近の卒業生の時代背景を考えれば

教育期間中のコミュニケーションは

以前より重要度が増してきているのです

 

ご存じだと思いますが 

例の病気の影響で

世界中の社会が、経済が

2~3年は停滞してしまったのは

周知の事実だと思います

 

現在の卒業生たちは

その時代を生き抜いた学生たちなのです

様々な学校行事やイベントはすべて制約され

マスク生活で在宅を余儀なくされてきたのです

その結果、それが当たり前になってしまい

人前で話すどころか

マスクを外すことですら「怖い」

そう感じるのが当たり前の世代なのです

 

自分は今年の新入社員も担当しましたが

ほとんどの子が

「知らない人と話すのが苦手」

「自分で率先して取り組めない」

こういうタイプの子でした

 

新入社員の人材育成担当なんて

文句、陰口を言われて当たり前なので

新入社員同士でこちらを見ながら

コソコソ話す姿を見るなど当たり前のことなのですが

今年の子はほぼ全員休憩になると

仲間同士でワイワイガヤガヤすることなく

スマホを持って自分の世界に入ります

後に聞きましたが、自分に対する文句も

真顔のままスマホのLINEで

会話していたそうです

 

マスクで飛沫防止のために

必要以上に喋らない

大声は出さない

ソーシャルディスタンス

そんな彼らの学生生活の影響なのでしょうね

 

こういう時にね

「スマホばっかりいじりやがって」

「話すときは人の目を見て話せ」

「声が小さい」

とか、つい怒ってしまいそうになりますが

それではいけません

 

私たちの時代と彼らの時代は違うのです

先ずは社会の先輩である私たちが

良い時代もテレワークの時代も知っている私たちが

彼らがどのような生活をして社会に出てきたのか

調べてあげるべきなのではないでしょうか?

 

他の会社の社員たちは 

自分たちの常識を押し付けて厳しく話すでしょう

でも、あなたはそれではいけません

新入社員の最後の心の拠り所でなければいけないのです

良き相談相手でなければいけないのです 

 

必要なのは厳しく仕事を教えてあげるだけじゃない

「本当に大変だったね」

「まだまだ若いから、これから取り戻していけばいい」

そういった労いの言葉が何より大切です

 

新入社員は大切な「人材」であり「大切な部下」です

自分の「道具」でも会社の「奴隷」でもありません 

意思の疎通がしっかりできないままで

無理やり仕事を教え込んで一人立ちさせても

ほとんどの子は期待通りの成果を残せません

声をかけて本当の気持ちを引き出せるように

日頃の声掛けがとても重要になってくるのです

 

そして「わからないことは聞け」

そう野放しにしても聞いてきません

一人で抱え込んだり

同期の新入社員同士で相談し合ったり

勝手な判断をし始めます

あなたへの敷居が高いせいで

話しかけることができないのです

 

必ず定期的に観察をして

悩みは聞き出すようにしましょう

その際に

本来できるはずのことであれば

少しだけヒントを教えて考えさせましょう

 

正解をいきなり教える 

かわりにやってあげる

これは絶対にダメです

何でも言ってくれるかわりに

甘えん坊が育ってしまいます

なんでも頼られてしまい

手に負えなくなります

今度は上司と人材育成担当が潰れてしまうのです

 

私たちの頃は

厳しい上下関係など

体育会系じゃなくても当たり前でした

文系でも「気合と根性」がなければいけませんでした

男性の場合は特にそうだったと思います

良くも悪くも精神的に強かったのです

 

親や学校の先生が

「愛のある体罰」をするなんて当たり前

悪いことをしたらとりあえず謝っておけば

ゲンコツ一発で許されたんです

次の日以降は同じ事を二度としない限り

なにも言われず許されました

昔からある言葉の通りで

「水に流せる」

そんな時代だったのです

 

今は違います

学校でのいじめの発生率も上がり

その手法も陰湿になってきています

今や小学生でもスマホは当たり前の時代

さらなるいじめの手段さえも

検索したらすぐに出てきます

いじめる方法も進化して

隠す方法も巧妙になっています

昔と違って子供もなかなか表情に出しません

悪事が親や先生に知られにくくなっているのです

 

そして親も先生も弱くなった

対して子供はどんどん賢くなっています

親が子供に知識で負けて言い負かされる時代です

それを昔のようにゲンコツで解決することは

愛があろうが身内だろうが

「犯罪」と呼ばれる時代なのです

 

人材育成担当はこういった時代背景を知るべきなのです

今は昭和ではありません

自分たちの昔話をしても

そんなことは知らないし理解できません

 

私たちが子供の頃に

江戸時代や明治の話をされても

いつの話をしているんだ?と

そう思ったのと何も変わりませんからね

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA